コンクリート保護用途
コンクリートの劣化はどうしておこるのですか?
劣化の原因は、「塩害」「凍害」「中性化」「アルカリ骨材反応」など様々。 いずれも、コンクリート中の小さな孔(微細孔)に、水分、塩化物、酸性物質などが入り込むことで生じます。 でもパーミエイトはあらゆる劣化からコンクリートを守ることができます。
海

塩害

コンクリートに浸透した塩化物によってコンクリートの鉄筋類に腐食が進行し、発生した錆が膨張してコンクリートがひび割れ、破壊、剥落をおこします。海水の飛沫、道路凍結防止に使われる塩化カルシウムなどの塩化物が水に溶けてコンクリートへ浸透することが原因です。

凍害

コンクリート中へ浸透した水分が、凍って体積膨張→融解→凍って体積膨張を繰り返すことで、コンクリートが破壊されます。

中性化

コンクリートは水酸化カルシウムによりアルカリ性に保たれており、このアルカリ性が内部の鉄筋類の腐食を防止しています。しかしコンクリートに炭酸ガスが入り込むと水酸化カルシウムが炭酸カルシウムに変化してコンクリートが中性化されることにより、鉄筋類が腐食し、コンクリートが破壊されます。

アルカリ骨材反応

コンクリート中の骨材(砂利、砂など)とアルカリが反応しゲル(こんにゃく、寒天のような固体)が生成し、それが更に水を吸って膨潤し、コンクリートが破壊されます。コンクリート内部の水分を逃がすことで、この反応を抑えられます。


どうやってコンクリートの劣化を防ぐのですか?
パーミエイトがコンクリートの微細孔に浸透・硬化して無機系ポリマーとなり、微細孔を完全に塞ぎます。水蒸気は逃がしつつ、水(液体)・炭酸ガスなどの浸入を完全にシャットアウト。含浸材で中性化阻止ができるのは、パーミエイトが世界で初!

パーミエイトが微細孔に浸透・硬化

パーミエイト(無溶剤アルコキシシラン化合物)が微細孔へ浸透しつつ、空気中の水分と反応して無機系ポリマーをつくり微細孔を完全に塞ぎます。

水分や炭酸ガスなどの浸入を防ぐ

コンクリート断面図

従来のコンクリート保護材(含浸材)

従来のシラン系含浸材は、左図のように細孔の内壁の表面を覆って、その撥水性によって水が浸入しづらくなっているだけなので、水蒸気や、中性化の原因となる炭酸ガスは透過します(シラン系以外の含浸材には水の浸入をも抑えきれない製品もあります)。

パーミエイト

無機系ポリマーが細孔を塞いでいるので、水、水に溶解している塩化物などの浸入を遮断。同時に、この無機系ポリマーは、アルカリ骨材反応の原因となる水蒸気を外部へ逃がしますが、炭酸ガスは遮断するので、中性化阻止、アルカリ骨材反応の抑制ができます。


他社保護材との比較

パーミエイト1〜2回の塗布で、透水量、塩化物イオン浸透、中性化すべての項目において、他社保護材より優れています。

項目
無処理
パーミエイト
他社含浸材
HS-300含浸/被覆
HS-360含浸
ケイ酸塩系含浸
シラン系含浸
総塗布量(g/m2
150
100
250〜550
125〜500
塗布回数(回)
1〜2
1
1〜4
1〜2
外観
指定色
濡色なし
濡色なし
濡色なし
含浸深さ(mm)
1前後
2前後
1〜8
透水量比
100
2〜9
4〜7
48〜93
7〜19
塩化物イオン浸透深さ比
100
0
0
69〜98
5〜38
透湿量比
100
94
104
58〜96
77〜107
中性化深さ比
100
0
0
63〜77
77〜100

上記評価試験は、W/C65コンクリートを用いてJSCE-K571-2004に準拠して実施

他社含浸材評価は『土木学会119コンクリートライブラリー・表面保護工法・設計施工指針(案)P203-236』を参照

※ 深さ比…無処理の場合を100として、コンクリート表面からどの程度の深さまで反応が進んだかを測定したもの

新幹線軌道コンクリート・コア抜きサンプルにて評価
パーミエイト処理
無処理
塗布量
中性化深さ
中性化深さ
HS-300クリアー
50g/m2
0.0mm
10.3mm
HS-360クリアー
100g/m2
0.0mm
6.4mm

試験方法:JSCE-K571 2005 ※日本塗料検査協会試験データ

水を通さない証拠!
パーミエイト

●無処理コンクリートを濡らした状態(写真上)。コンクリートの細孔へ水が浸透し、濡れた色が出ています。

● パーミエイト処理済みのコンクリート(写真下)。細孔をパーミエイトで塞いでいるので、濡らしても水は内部に浸透せず、濡れ色は出ません。



その他、パーミエイトが他のコンクリート保護材より優れている点は?
「含浸/被覆」と「含浸のみ」の2工法が可能!
しかも、両工法ともに施工方法が簡単で、保護効果がほぼ永久的。
また、塗膜は無機系ポリマーだから、チョーキングもおこさず、
熱にも強く、剥がれません。

「含浸/被覆」工法と「含浸のみ」の工法

パーミエイトはコンクリートの細孔へ浸透・硬化して細孔を塞ぎ、さらに表面を塗膜で覆う「含浸/被覆」工法と、コンクリートの細孔を塞ぐだけで打ち放し景観・質感を残す「含浸のみ」工法の2タイプを工事目的に応じて選べます。

①「含浸/被覆」工法

(パーミエイト使用グレード:HS-300、330)

微細孔に浸透・硬化し、さらに表面を覆って内部にしっかり根を張ったような「根付き塗膜」となります。塗膜の付着力は強く、基材を破壊しない限り剥離しません。着色も自在です。

「含浸/被覆」工法

②「含浸のみ」工法

(パーミエイト使用グレード:HS-350、360)

コンクリート表層2程度の深さの細孔をポリマーで塞ぐだけで表面に塗膜は作りません。塗膜を作らないので、コンクリートの打ち放し景観、質感を残せます。

「含浸のみ」工法

耐用年数はほぼ永久!

ガラス、石に代表される無機系物質は、紫外線による劣化がないことにより、粉砕など形は変わるものの、物質そのものは永久に維持されます。無機系ポリマーであるパーミエイトも同様です。だからほぼ永久に保護性能を維持します。

コンクリート コンクリート

◆H17.3施工の含浸材HS-350は、H21.5時点においても、その遮水 性は変化無く、散水してもコンクリート表面は濡れた色になりません。

◆H17.3施工のコンクリート橋脚保護塗装HS-300は、H21.5時点に おいても、外観上での変化はありません。




施工はどうすればいいですか?
施工は簡単です。刷毛、ローラー、スプレーで1、2回塗布するだけ。

簡単施工がパーミエイトの特長のひとつです。塗布時、コンクリートの水分8%以下、油分なしを確認願います。

1.「含浸/被覆」工法

既存塗膜が残る場合は、油分除去、ケレンを充分に行ってからHS-300を120g/m2塗布。


新設コンクリートの場合は、弊社推薦のポリマーセメントにて不陸 調整後、HS-300を150g/m2塗布。


ポリマーセメント施工したくない場合は、HS-300クリアー100g/m2塗布し、24時間以内にHS-300調色品を150g/m2塗布。


2.「含浸のみ」工法

HS-350もしくはHS-360を100g/m2塗布、勝手に浸透し孔を塞ぎます。



「含浸/被覆」を湿ったコンクリートのままで施工したい場合は?

湿潤コンクリート用特殊グレードHS-300Wは、コンクリートの表層細孔にある水を取り込みながら浸透していくすぐれもの。湿潤面でも根付き塗膜をつくる手助けをします。

解説キャラクター
下水道にも使用できますか?
出来ます。下水道コンクリートは、下水に流れ込む洗剤、シャンプーによって急速に劣化しています。 パーミエイトHS-330は、薄膜で下水道コンクリートを劣化から完全防御します!
下水道管の断面図

劣化が激しい下水道コンクリート

下水道管内部を流れる家庭用下水や工場排水には、洗剤、シャンプー等の硫酸イオンが流れこみ、下水道管内の堆積物中に存在する硫酸塩還元細菌によって、この硫酸イオンが硫化水素に変化します。この硫化水素はガスゾーンに放散され、コンクリート内表面に結露した水に吸収されます。この結露水に吸収された硫化水素は、硫黄酸化細菌によって硫酸に変化し、この硫酸がアルカリ性であるコンクリートを中和し、急激に劣化させます。

パーミエイトが優れている理由

パーミエイトはコンクリートの細孔へ浸透・硬化して細孔を塞ぎ、さらに表面を塗膜で覆う「含浸/被覆」工法と、コンクリートの細孔を塞ぐだけで打ち放し景観・質感を残す「含浸のみ」工法の2タイプを工事目的に応じて選べます。

従来のコンクリート補修方法は、コンクリート表面を、

◆塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂等の2以上の厚さの成形シートで被覆する

◆補強材を入れたエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等を厚く(通常2mm以上)塗布する…

というものです。パーミエイトは、こうした従来工法と比べて次のメリットがあります。

1.塗布量が圧倒的に少なく600g/m2(厚さ300μm)、塗布回数は2〜3回で十分

2.コンクリート細孔へパーミエイトが浸透・硬化するので、根付き塗膜となり絶対剥離しません

3.湿潤コンクリート面への塗布も可能です(※特殊グレードHS-330W使用)

【最も過酷な性能規定に合格!】

日本下水道事業団の指針における性能規定の中で最も過酷なD1種にパーミエイトは合格。

D1種の性能規定とパーミエイトHS-330の性能
項目
性能規定
パーミエイト
被覆の外観 被覆にしわ、むら、剥がれ、われのないこと 合格 塗膜異常なし
接着性 標準状態:1.5N/mm2以上
吸水状態:1.2N/mm2以上
合格 2〜5N/mm2(コンクリート破壊)
耐酸性 10%硫酸水溶液に60日浸漬しても、被覆にふくれ、われ、軟化、溶出がないこと 合格 180日浸漬後も変化なし
硫黄浸入深さ 10%硫酸水溶液に120日浸漬した時の浸入深さが設計 厚さに対して5%以下、かつ100μm以下であること 合格 塗膜への浸入なし
耐アルカリ性 水酸化カルシウム飽和水溶液に60日間浸漬しても、被覆にふくれ、われ、軟化、溶出がないこと 合格 60日浸漬後も変化なし
透水性 0.15g以下 合格 0.01g

この研究成果については、H21年6月米国National Association for Surface FinishingのSUR/FIN 2009において大阪大学等より発表


今までの施工事例を教えてください。
あらゆる劣化からコンクリートを守るパーミエイトは以下のようなところで使われています。
パーミエイト施工事例 高速道路擁壁 工場床コーティング軌道コンクリート 橋梁脚 橋梁脚
【技術資料PDF】
「パーミエイトコンクリート保護」のメカニズム、実証結果について、もっと詳しく知りたい方はこちら
「コンクリートの表面処理材の性能および施工性評価」
「アルコキシシラン系表面含浸材によるコンクリートの耐久性向上に関する研究」